今回は、北野唯我さんの著書「戦国ベンチャーズ」(発行:SHOWS Books)の書評だヨ
「戦国武将たちが取り入れた強みの経営」でお馴染みの群馬俊貴です!
サクッと読めますので、ぜひ最後までご覧ください!
曹操が取り入れた「強みの経営」
経営者といえば「自分が何でもできるプロフェッシュなるでなければいけない」と決めつけがちですが、自分よりも優秀な人材を集められる人=最強のヘッドハンターこそ経営者には必要な資質です。
- リクルートグループ創設者の江副浩正さんは、新卒採用1人につき600万円をかけ、70億円のスーパーコンピューターを採用経費として使用していました。
- ソフトバンクグループ創設者の孫正義さんは、「外脳を使う」ことを重要視していて、自分よりも業界の知恵があるプロの力を借りていました。
この様に、組織で成果を上げるためには、年功序列型ではなく、実力主義で優秀な人材を集める必要があります。
曹操は人事のスーパースター
曹操の人事戦略は、年功序列を否定した「実力主義」であり、
- 才能を集める才能
- 人を活かす人事制度を作る能力
以上の2点のスキルに長けていました。
三国のうち「蜀」の劉備玄徳は、曹操とは真逆の人事戦略を得意としています。
諸葛亮という戦略を考えるプロフェッショナルをヘッドハンティングする際、下手に三度も出向いてスカウトするというスタイルです。
曹操の人事戦略は、唯才是挙(才能を強みでのみ評価する)であり、家柄、経歴、素行にこだわらず、才能でのみ誰でも評価していました。
曹操の異常な実力主義
曹操に従えて活躍した軍師の中に、郭嘉(カクカ)と陳羣(チングン)がいます。
曹操を軍略で支えた郭嘉は、好き嫌いが激しく普段の素行も悪かったことから、陳羣が指摘しても更生することはありませんでした。
その結果、曹操は、陳羣の公明正大さを評価した一方で、郭嘉を遠ざけることなくより一層に重要視しました。
曹操の人事戦略は、それぞれの能力や正確を見極めた上で、私情を抑えて合理的に行っていたのです。
また、劉備の義理の弟である関羽をスカウトし続けたり、自分の長男と部下を失った戦いで相手の軍師を配下にしたり、「人集め」と「実力主義」に関して異常なまでの執着心がありました。
曹操は異常なまでに実力主義を追求して、個々の強みを活かした人集めのプロだからこそ、三国時代を勝ち抜くことができました。
考察&感想
本書の目的は、一見難しいと決めつけてしまう歴史の楽しさと、戦国時代の名将たちの人事戦略を学ぶことです。
実際に読んだ結果、日本の年功序列で評価する企業は成長することが出来ず、時間の経過とともに衰退していくことが分かりました。
それでは、日本の企業で働く「能力の無い役職者」はクビにするべきなのか考えていきます。
能力ある部下を昇格させるべき
私が考えた仮説は、「年齢や経歴は関係なく昇格させて、能力の無い役職者は降格させるべき」です。
役職についている能力のない役職者をクビにするかどうかが問題ではなく、例え新卒で入社した経験の浅い人材でも、転職を繰り返している中途採用者でも、「能力のある人材」であれば適正な評価をするべきです。
そのためには、役職者が途中で熱意が無くなったり、能力が劣るのであれば、降格させなければなりません。
降格させられた元役職者は、また平社員から這い上がるのか退職するのかは自由であり、這い上がるための道も企業は確保するべきだとも思います。
よって、能力の無い役職者は降格させて、能力のある者を昇格させる実力主義が企業には必要になります。
時代は繰り返す
本書を読んで印象に残った点は、大昔の戦国武将たちが、現在のアメリカの様な人事戦略をとっている点です。
現在の日本では終身雇用が崩壊しつつあり、それと同時に年功序列の人事制度も見直されてきました。
本書内でも説明されていますが、「時代は繰り返す」という言葉の通り、これからは三国時代や戦国時代の人事制度に変化していく可能性も大いにあると感じました。
今回、不満点に関してはこれといって無く、大変読みやすく書かれていて頭にスッと内容が入ってきました。強いていえば、左開きで洋書の様に横書きで書かれているため、縦書きの書籍に慣れている方は若干読みづらい程度です。
まとめ
経営者に必要な能力は、何でも自分でこなすプロフェッショナルではなく、自分よりも優秀な人材を集める「人集めのプロ」であることが重要です。
三国志で有名な曹操は、年功序列を否定した「実力主義」であり、
- 才能を集める能力
- 人を活かす人事制度を作る能力
以上の2点に長けていて、個人個人の能力や正確を熟知した上で、私情を抑える合理的な人事戦略を行っていました。
現在の日本でも、ただ経歴が長いだけで上に立つ役職者も多いため、アメリカのような成果主義を軸とした組織戦略が必要だと思いました。
皆さんも、自分の「強み」を活かして組織に貢献していってください!
最後までご覧いただき感謝です!
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