今回は、元ディズニーカリスマ人材トレーナー櫻井恵里子さんの著書「3日で変わるディズニー流の育て方」(サンクチュアリ出版)の書評だヨ
「ディズニーのキャストたちが導き出した理想のリーダー像」でお馴染みの群馬俊貴です!
サクッと読めますので、ぜひ最後までご覧ください!
ディズニーキャストの「理想のリーダー像」
リーダーが抱える悩みとして、人材育成の悩みが最も多く、600人中72%が「部下や後輩の能力が低い」と悩んでいます。
ディズニー流の教育で基本となるのは以下の3点です。
- ゴールを見せる
- 感動を体験させる
- 行動を見守ること
ディズニーにはマニュアルが存在しない代わりに、「ゲストにハピネスを提供する」という企業理念の元、それぞれがリーダーの視点を持って働いています。
魔法の教え方
ディズニーの創設者であるウォルト・ディズニーの幸福論として、相対価値ではなく絶対価値を持って働くという理論があります。
- 相対価値…他人よりも自分の方が優れていると思うことに価値を感じる
- 絶対価値…自分の中で自らの価値を判断して働くことに価値を感じる
なぜ絶対価値の方が重要かというと、自分自身の中で仕事に対するやりがいや興味を追求していくと、幸福感を求めやすいからです。
部下が幸せに働くためには、まずはリーダーである自分自身が絶対価値を持って働くことが重要になります。
理想のリーダー像の条件
仕事における悩みの9割以上は人間関係が原因であり、リーダーに対する満足どによって、組織やチームに対する満足度も変化します。
リーダーへの満足度が高ければチームへの満足度も高く、リーダーへの満足が低ければチームへの満足度も低くなることから、リーダー次第で部下の働きやすさにも影響をもたらします。
ディズニーのキャストたちが導き出した「理想のリーダー像」の条件が4つあります。
- 相談できる雰囲気がある
- 課題や方針を明確にする
- 責任感が強い
- 指導力・育成力がある
相談できる雰囲気がある
「話しかけづらくて気軽に話せない」というリーダーには、部下の方から相談することはできません。
日本の企業の多くでは、リーダーへの負担が多かったり、今までの苦労を棚に上げて偉ぶりたいリーダーが多く、これでは部下が萎縮してしまいます。
リーダーだからといって決して偉ぶらずに、部下が気軽に相談できる環境を作るのがリーダーの役割です。
課題や方向性を明確にする
リーダーが部下に仕事を与える際に、仕事の意味や課題、方向性を示す必要があります。
例えば、北に目的地がある場所に向かう際、「南からいくぞ」という方向性を示し、「なぜ南から行くのか」という理由を明確して、課題を与える必要があります。
仕事の目標を具体的に示した上で、部下の性格に合わせて伝えることが重要です。
責任感が強い
リーダーは、部下の失敗に対して強い責任感を持つ必要があります。
自分が任せた仕事を部下が失敗した際に「どうして失敗したんだ」などと高圧的に叱るのではなく、リーダーが失敗を受け止めて「何がいけなかったのか」を一緒に考えることが大切です。
ディズニーでは、ワンランク上の仕事を部下に任せて、失敗の責任はリーダーが持つことで、部下は自由に主体的に積極的に動くことができます。
指導力・育成力がある
どんな仕事でもリーダーが積極的にとりくみ、仕事に対する姿勢を見せることも大切です。
多くのリーダーは、「今まで苦労してきたから楽していい」「自分がこんな仕事やるべきではない」と考えて、部下と同じ立場にたって仕事をすることができません。
部下の能力を正確に熟知した上で、キャリアに対してアドバイスできるスキルもリーダーには求められます。
考察&感想
本書が伝えたことは、人材育成に携わるということはリーダー自身のキャリアをプラスに変えるチャンスであるということです。
著者の櫻井さん自身も、お世話になった上司からのアドバイスで大学教授という道を選んだそうです。
ディズニー流のマインドを知ることで、リーダーとしての在り方を改めて、職場環境をより良いものに変えることができます。
考察
本書では、喜怒哀楽の中で最も人間関係に直結して仕事に影響を与えるのは「怒りの感情」だと説明されています。
何度も注意しているのに改善するのが不可能な場合はどうすれば良いのか?
仮説として考えたのは、そもそも部下がヤル気を起こさない原因は信頼関係を築けていないからであり、積極的にコミュニケーションを取れば改善できるということ。
冒頭でも説明した通り、多くの管理職は「部下の能力が低い」と部下が原因だと考えてしまいます。しかし、「理想のリーダー像」と反対のことをしてしまっているリーダーが多いからこそ、リーダーへの満足が低下し、チームへの満足度も低くなることで部下はヤル気を失います。
ディズニーキャストたちが導き出した「理想のリーダー像」を実際に取り入れるだけで、リーダーへの満足度と共にチームへの満足度も上がり、部下は主体的に動くようになります。
感想
本書で印象的だったのは、ディズニーキャストがマニュアルではなく「ゲストにハピネスを提供する」ことをモットーにしている具体例が書かれていた点です。
レストランで働くキャストが、ゲストから「婚約指輪を料理に隠してほしい」という無理難題を誰にも相談せずに受け入れて実行した結果、後日ゲストから結婚式への招待状とお礼の手紙をもらったというエピソードがあります。
後日、キャストが上司へ事後報告をすると、すごく褒め称えたとのこと。
「ゲストにハピネスを提供する」という共通の目標があるからこそ、リーダーとキャストの信頼関係も強くなるのだと感じました。
不満点
本書の中で、ディズニー流の教育は他の一般企業でも実践できると書かれていましたが、職場の状況や職種によっては実行するのが難しい企業も存在すると思いました。
例えば、ベルトコンベアから流れてくる物をチェックしたりといった流れ作業の場合、皆がそれぞれ主体的に動いてしまうと違った商品が出来上がったりしてしまいます。
接客業などお客さんと直接関わったり、単純作業ではない職業であれば実践は可能だと考えています。
まとめ
ディズニー流の教育とは、「目標を見せる、感動を体験させる、行動を見守る」3点であり、マニュアルではなく「ゲストにハピネスを提供する」という企業理念によりキャスト1人1人が主体性を持って働いています。
ディズニーのキャストたちが自ら考えた「理想のリーダー像」とは、
- 相談できる雰囲気がある
- 課題や方針を明確にする
- 責任感が強い
- 指導力・育成力がある
以上の4点がリーダーには必要不可欠であり、「部下の能力が低い」と悩み管理職の方々は、まずは自分のリーダー像から見直すことで職場環境を改善することができます。
ディズニー流「魔法の教育」で、部下から尊敬されて憧れられるリーダーを目指しましょう!
最後までご覧いただき感謝です!
コメント