ソニー元社長の組織改革?「知ったかぶりをしない」人事組織戦略

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群馬俊貴

『全ての個人が個人で稼げる時代を作りたい』をモットーに情報発信中。20歳で林家一門に弟子入りし、25歳でGReeeeNやAdoの所属事務所からスカウトされる。

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今回は、平井一夫さんの著書「ソニー再生-変革を成し遂げた異端のリーダーシップ-(発行:日経BP)」の書評だヨ

「知ったかぶりをしない異見を求めるリーダー哲学」でお馴染みの群馬俊貴です!

こんな人におすすめ!
  • チーム一丸となって成果を出したい
  • チームがまとまらずに困っている
  • ソニー元社長の組織再建について興味がある

最後までサクッと読めますので、是非ご覧くださいっ!

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ソニー元社長のリーダー哲学

平井一夫さんは、現在ソニーグループのシニアアドバイザーという役職についていて、同時に「一般社団法人プロジェクト希望」という子供の格差を無くす活動をしている団体を運営しています。

ICU卒業後CBSソニー入社CBSソニーNYオフィスSCEA社長2006年SCEI社長2011年ソニーグループ副社長2012年社長兼CEO2018年会長2019年アドバイザー

新卒でCBSソニーに入社してから社長まで上り詰め、ソニーグループを赤字から黒字にV字回復させた平井さんの組織戦略で重要なポイントは以下の3つです。

  • 知ったかぶりをしない
  • イエスマンはいらない
  • 異見を求める

知ったかぶりをしない

平井さんのリーダー哲学である「知ったかぶりをしない」は、プレステーションのゲーム事業に配属された時に異分野のプロと出会った時に生まれました。

音楽業界出身の平井さんにとっては、プレイステーションのゲーム業界は右も左も分かりませんでした。

ゲームとなると、主力となる取引先はアメリカでも大手であるウォルマートやトイザらスであり、これらの企業との付き合い方は、現場の方が自分よりも優れていると考えていたのです。

ソニーミュージックからプレイステーション事業に移動したからこそ、浅い知識で知ったかぶりをせずに、異分野のプロに耳を傾けるという組織戦略が誕生しました。

イエスマンはいらない

経営者に最も必要な能力は、コミュニケーション能力と心の知能指数「EQ」であり、相手の意見を聞くことがリーダーには不可欠であると著者は述べています。

かつて、ソネット(現ソニーコミュニケーションネットワーク)を買収する際、トップであった吉田さんに対して、ソニーのマネジメントチームにスカウトしました。

吉田さんの「イエスマンにはなりません」という考えを受け入れて、「異見を言ってくれる人を求めている」とストレートに直接伝えました。

この様に、周りにイエスマンを配置せずに、自分と異なる意見「異見」を言ってくれる人材に耳を傾けることが、リーダーには必要な要素となります。

異見を求める

平井さんは幼い頃や会社員としても、様々な異なる場所を転々としてきた経験から、「異なるもの」を経営に取り入れてきました。

日本の多くの企業では、出る杭は打たれて反対意見は簡単に否定されてしまいますが、かつてソニーでは「出る杭を募集します」という求人広告を出したことがあります。

マネジメントする上での大原則は、会議の場などで誰でも気軽に「異見」をぶつけることができる環境を作ることです。

平井さん流の経営哲学の根幹は、「異見の発見と経営戦略へ昇華させること」であり、聞き役徹して方向性を定めるのがリーダーの役割です。

考察&感想

本書の目的は、ソニーをどうやって再建したか読者の疑問に答えることと、自身が運営する「プロジェクト希望」の応援です。

実際に読んだ結果、ソニーを再建する事ができた理由だけではなく、平井さんがソニーグループ内で行ってきた組織戦略やリーダー哲学を詳しく学ぶことができます。

疑問としては、平井さん流の組織戦略は、あくまでもリーダーは聞き役に徹して「異見」に耳を傾けるというのが書かれていましたが、本当にリーダーは意見しなくても良いのでしょうか?

仮説として考えたのは、「リーダーは目標と戦略については意見をするべきであり、さらに掘り下げるために周りの意見に耳を傾けるべき」です。

目標や戦略には意見するべき

リーダーの役割は、チーム全体が目指すための目標地点を設定することであり、目標や戦略を立てる上での意見は進んでするべきだと考えています。

チームの役割は、リーダーが意見した目標や戦略に対して、よりロジカルに掘り下げていくために、それぞれのプロフェッショナルの異見を出し合うことで、チーム全体としての方向性が定まります。

例えば、ルパン三世はチームメンバーの次元大介や石川五エ門よりも能力値は劣りますが、もしもルパン三世がリーダーでなければチームは解散してしまいます。

ルパン三世アニメ第5話では、初対面のルパンと五エ門が勝負をした結果、一騎打ちの勝負でルパンが負けてしまいます。アニメ第7話で再登場した際には、ルパンが仕掛けた落とし穴にハマって、結果的にルパンが勝利を収めて石川五エ門が仲間に加わりました。

上記の例からも分かる通り、ルパンは五エ門との一騎打ちでは負けてしまいますが、落とし穴に引っ掛けるという巧妙な策が考えられるからこそ、チームのリーダーとして認められています。

管理職は経営者目線が必要

本書で印象に残った点は、日本の企業ではイエスマンを周りに配置する経営者や管理職が多い中で、ソニーという日本の大企業の社長だった平井さんは、チームの異見に耳を傾けることで赤字から黒字へと導いたところです。

もしも、管理職の方々が平井さんの様なマインドを持っていれば、社員全員の異見がチームの成果を出して、チームの成果が会社の売上に好影響をもたらします。

世の中の幹部や管理職の方々も、平井さんの様な異見に耳を傾ける経営者目線を持っていれば、日本の経済はより発展すると感じました。

不満点は、本書はあくまでもソニーを再建した疑問に答えることを目的としていて、組織戦略はその一部分で書かれている点です。

平井さんの組織戦略やコミュニケーション術がメインであれば、マネジメントやコーチングで悩んでいる方の助けになるのではないかと感じました。

ただし、本書を読むだけでも十分に平井さんのマネジメントを学ぶことができますので、管理職についている方は是非とも手にとって読んでいただきたいです。

まとめ

今回ご紹介した書籍
ソニー元社長のリーダー哲学が学べる!

リーダーに必要なのは部下の異見に耳を傾けることであり、「コミュケーション能力」と「心の知能指数EQ」を極めることです。

ソニーグループの元社長である平井さん流のリーダー哲学とは

  • 知ったかぶりをしない
  • イエスマンはいらない
  • 異見を求める

上記の3点であり、リーダーはあくまでも聞き役に徹して、チーム全体の方向性を定めて期限を儲けることです。

現在、チームのリーダーとして活躍している管理職の方々は、自分の意見だけが正しいと思い込まずに、部下たちの様々なプロフェッショナルの異見に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただき感謝です!

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