
今回は上村紀夫さんの著書「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人(クロスメディア・パブリッシング)」の書評だヨ

「ターゲティング戦略でリーダー候補を優先した組織活性化」でお馴染みの群馬俊貴です!
- チームの生産性やモチベーションが低下している
- チーム全体の雰囲気が悪い
- メンバーが辞めたがっている

最後までサクッと読めますので、ぜひ最後までご覧くださいっ!
「社内マーケティング」で組織活性化
お客様の心を満たすマーケティング戦略と、従業員が働きやすい環境を作る組織戦略は似ていて、いわば社内マーケティングというべきと著者の上村さんは述べています。
社内マーケティングを取り入れることにより、望まない離職を防いだり、働きがいややりがいを再確認したり、企業にとって最終的に売上増に繋がります。
組織の人材5タイプ
組織の人材は以下の5タイプに分かれます。
- 優秀人材…40代以上のベテラン社員で組織を牽引する会社にとって欠かせない人材
- ハイポテンシャル人材…3〜5年後に優秀人材になり得る幹部候補の人材
- 立ち上がり人材…新卒・中途を問わず入社から1年以内で働きがいやヤル気はある人材
- 普通人材…言われた事だけを徹底的にこなす平均的な人材
- ぶら下がり人材…会社とのミスマッチから周りから見て意欲的に見えない人材
優秀人材は会社の顔とも言うべき人材のため、一見すると一番重要なのは優秀人材と捉えてしまいますが、企業にとって一番優先すべきなのはハイポテンシャル人材です。
理由は、将来的に優秀人材が退職してしまった際に、ハイポテンシャル人材が育っていないと組織を牽引するメンバーがいなくなってしまうため、組織は徐々に弱体化してしまいます。
組織活性化にはハイポテンシャル人材を育てることが大切であり、将来のリーダー候補として周りとは違ったアプローチが必要です。
ターゲティング戦略3つの手順
従業員の離職を防いだり悩みを解決するために、上手く社内マーケティングを行うには「ターゲティング戦略」が必要です。
ターゲティング戦略とは、ターゲットを定めて課題を設定した後にニーズを満たすアプローチをすることであり、主な3つの手順は以下の通りです。
- Who(誰)
- What(課題)
- How(アプローチ)
Whoでは、まず先程ご紹介した人材5タイプの中から、社内で優先すべき人材を定める工程となります。当書では、組織活性化に繋がるハイポテンシャル人材をターゲットとして設定することです。
Whatでは、ターゲットした人材が抱えている悩みを課題として設定します。ハイポテンシャル人材は、社内でも成果をだしつつあるため負荷がかかりやすかったり、働きがいを見失っている可能性が高いです。
Howでは、設定した課題に対してどんなアプローチ方法があるか考えて実行します。ハイポテンシャル人材の課題「業務過多、働きがいの喪失」を改善できれば、組織全体が活性化して将来的に立ち上がり人材の働きがいややりがいにも好影響となります。
考察&感想
普通人材を優先すべきではないか?
当本の中では、1番優先すべきはハイポテンシャル人材で、次に立ち上がり人材を優先すべきと説明されています。
何故なら、40代以上の優秀人材の働く上での悩みはバラバラであり対処するのが難しいため、悩みが明確なハイポテンシャル人材や立ち上がり人材を優先すべきとのこと。また、優秀人材が離職してしまった場合に、代わりの人材としてハイポテンシャル人材が必要です。
しかし、普通人材こそ1番に優先しても良いのではないかと私は考えています。
普通人材は「言われたこと忠実に実行するスペシャリスト」であり、会社に対する熱量が少ないだけで、仕事の能力ではハイポテンシャル人材を上回る可能性すら存在するかもしれないからです。
社内マーケティングの重要性
当本を読んで印象に残った点は、組織活性化には社内マーケティングが必要である点で、社員やメンバーの悩みを疎かにすると内部から崩れてしまうことです。
人材を5タイプに分けて、それぞれが抱えるであろう悩みに対してどうアプローチしていくのかが解説されいて、人事部だけでなくスポーツクラブやバンドなど、組織に関わる全ての人におすすめだと感じました。
私自身、小学生時代にラグビークラブや、21歳の時にバンドを経験しましたが、チームプレーが苦手で周りと溶け込むことができずにいました。
落語家やシンガーソングライターなど、個人で活動するようになってから、「組織より個人」が自分には合っているのなと実感していましたが、小学生時代に当本と出会えていたらまた違った結果となっていかもわかりません。
まとめ
組織の人材5タイプは以下に分けられます。
- 優秀人材
- ハイポテンシャル人材
- 立ち上がり人材
- 普通人材
- ぶら下がり人材
以上の人材5タイプの中から、組織にとってどの人材を優先すべきか考えて、それぞれアプローチしていくことが大切です。
社内マーケティングに必要なのは「ターゲティング戦略」であり、「Who(誰)、What(課題)、How(アプローチ)」以上の3つの手順が重要となります。
企業を運営する社長、人事部の方々だけでなく、スポーツクラブやバンドなど、組織を運営する全ての方々におすすめできる本ですので、ぜひご覧ください。

最後までご覧いただき感謝です!
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