どうも!トイレットペーパーはダブルロールでお馴染みの群馬俊貴です。
今回のテーマは「落語家はトイレで修行することもある」です!
落語家の修行というと、鏡や壁の前に座り覚えるまで落語を練習するイメージする方が多くいらっしゃると思います。また、師匠の前で演じたり兄弟子の前で演じたり、落語を練習する機会と場所は数多く存在します。
その中で、私が落語家の見習い弟子の時に体験した面白い修行のエピソードを共有したいと思いますので記事にしていきます。
とある落語会の仕事へ
前座見習いとはいえど、兄弟子が前座の場合は経験のために落語会へ付き添い仕事をすることがあります。
もちろん出演者としてではなく、裏方の雑務や客の呼び込みなどです。当然、出演する師匠方の着物をたたませてももらえませんし、それは前座の仕事です。
落語家の前座見習いという立場は切ない立場なのです。
落語家の見習い弟子の仕事に関して詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
では裏方の雑務とは一体どんなことを行うかというと、CD音源の再生と停止を押す係です。
出囃子といってプロレスで言う入場曲は師匠ごとに決められていて、小さな会場で行うことが多い落語会では持ち運びに便利なCDラジカセを使用します。
そのため、CDラジカセの再生と停止ボタンを押す係として前座見習いは適役のため、こういった雑務をこなすことで経験値を増やしていきます。
トイレで修行したエピソード
落語会の雑務を精一杯こなしていると、とある出演されていた師匠が私に言いました。

トイレに行くから付いてきてくれ
私は困惑しながらも了承するしか他に手はなく、大きい方のトイレの扉の前へ立たされました。
師匠が出てくるまで暇だと思っていたら、突然個室から声が聞こえてきました。

練習中の落語があるなら聞いてあげるから演じてみなさい
私はびっくりしながらも、練習中の落語を演じる自信が沸いてこないながらも、必死に落語を演じました。
トイレの個室の前で落語を披露することは、この先の人生ではまず絶対に無いことでしょう。
貴重な体験といえば貴重な体験ですが、落語の世界は面白いと思ったキッカケでもあります。
後日この話を私が入門した師匠に説明すると次のように言われました。

稽古を付けてもらったのか!?
後でお礼を言いに行かなければな。
私は師匠の発言にまたもや驚きました。
ただトイレの前で落語を演じただけというのに、師匠はそれを稽古と呼びお礼まですると言っていることに対して、驚いたと同じにこれもまた落語の世界は情に熱い面白い世界だなと感じました。
古き良き日本の姿が映し出されているようで、まるでその風景は歴史そのものをまのあたりにしているような錯覚を覚えました。
落語の世界は面白いことだらけ!
落語そのものも楽しめますが、落語の世界はそれ以上に魅力が溢れており、日本の古き良き姿を感じることが出来ます。
言い方を変えれば縦社会という言葉になってしまいますが、落語の世界ほど情に熱い人間関係は面白いですし、なにより無形文化財に匹敵すると思います。
落語の様に、歴史もしっかりと存在し、今もなお色褪せることのないエンターテイメントは、これからも未来永劫に語り継がなければならないと同時に、厳しい世界なので辞める人も多いです。
日本の伝統を後世に語り継いでいくには、現代に合ったやり方で若い世代を大切にしていくのも課題となります。
落語の世界は面白いことだらけの世界なので、落語家を目指そうとしている方も、落語好きな方も落語の世界を盛り上げていきましょう。
最後までご覧頂きまして、ありがとうございました!
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